アトリエの日々
ミカコさんの黄色い本
美術家の川井ミカコさん
真っ赤なショートヘアと煙草のけむり
耳たぶにいつもすてきなピアス
履き古しのドクターマーチン
年は私の母でもおかしくないくらい
最近えんぴつの色が好きだって ミカコさんは言う
ミカコさんは良い不良
ミカコさんは強くて弱い
ミカコさんは厳しくて優しい
ミカコさんの作るものは可愛くてコワイ
ここではないどこかを 感じるから
そこがしっかり こことつながっていることを 感じるから
私はいつも はっとする
突然ミカコさんに はなえさん と
話しかけられたとき
本当にうれしかった
はじめまして。いい出会いですね。と ミカコさんが言った
＊ ＊ ＊
一月の終わり ミカコさんのご依頼で特別な本をつくりました。
黄色い表紙 麻色の本文紙のアコーディオンブック ５冊
表紙には活版印刷のタイトル
「とみお帖 川井ミカコ」
「とみお」とは奈良市の富雄地区
ミカコさんが暮らすまちです。
これは ミカコさんにとっての「富雄」を記すための本
「特定の場所についての思い入れとか、あんまりないんですよ」
引っ越しを繰り返していたというミカコさん
富雄はいちばん長く住んだまち お父様の骨を埋めたまちだそう。
この本に ミカコさんにとっての富雄が記されます。
ミカコさんの手で ミカコさんの大好きなえんぴつで
まちに対するおもいは あたたかいものばかりではない
当然だけれど、とても表しがたい感覚を
ミカコさんなら どんなふうに表現するのだろう。
ミカコさんの「とみお帖」
はやく手に取って、ページをめくりたい！
ミカコさんの黄色い本「とみお帖」は
只今開催中の『わたしのマチオモイ帖』という展覧会でご覧いただけます。
プロのアーティストによる それぞれのマチオモイ７９８点
日本中を旅する気持ちで是非！
http://www.mebic.com/machiomoi/2014/
東京
東京ミッドタウン・デザインハブ特別展
2月28日（金）〜 3月23日（日）
大阪
メビック扇町特別展
3月7日（金）〜 3月29日（土）
＊こちらの写真はミカコさんにお借りしました。
＜川井ミカコさん プロフィール＞
美術家。テキスタイルスクールでファイバーアートを学ぶ。
その後メキシコ留学。現代美術アーティストとして、
国内はもとより、ハワイ・韓国・ドイツ・イギリスなどで個展、グループ点多数開催。
店舗デザイン、公共造形プロデュースなどで幅広く活動。
他ジャンルとのユニット作品展を積極的に展開している。