ボナミの本
さくらとカトリ
「さくらとカトリ」2014年11月1日(土)発売 3,870円(税込) 190mm × 180mm 全22ページ
絵と言葉・三木 葉苗 題字・三木 咲良 発行者・杉山 聡 発行所・Bonami
ブックデザイン・印刷・製本 Bonami
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作・印刷・製本をすべて自分たちの手で。
活版印刷と手製本で綴るBonamiのオリジナル絵本 2作目「さくらとカトリ」は
金属活字の組版で刷られた言葉と、樹脂凸版で刷られたイラストの、静かなモノクロームの世界。
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耳をすますと、言葉を持たないふたりの しずかな しずかな 会話が聞こえてきます。
すべて手作業でつくった、素朴な素朴な本。
あなたの手に届きますように。あなたの心に響きますように。
心から感謝をこめて
Bonami 杉山 聡 三木 葉苗 三木 咲良 そして、カトリより
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作業のすべて
原画は三木葉苗の鉛筆画。発行日の11月1日から一ヶ月間、アトリエに展示します。
「かみきりサックル」同様、題字は三木咲良。
言葉を持たない咲良の描く文字は、意味を乗り越えて 、まさにそのものへと着地するような不思議な存在感。
今回も、印刷はすべて小さな手動の活版印刷機 Adana21J で行いました。
版を変えるごとに位置と印圧を合わせなおし、一枚一枚力を込めて押します。
試し刷りと失敗作の山は、カトリのお気に入りの昼寝場所に。
イラストの製版は真映社さんにお願いしました。
発注した翌日には郵便受けに届いていて、その無言の優しさがいつも心強かった。
本の中の言葉はすべて金属活字の組版で印刷しました。文字の版画。金属活字の潔い線はとても美しい。
すべての印刷を終えて、715枚の紙を折り終えたのは、新月の日でした。
この紙一枚一枚に、素敵な出会いがありますように・・・ 新月に祈ります。
「さくらとカトリ」は和綴じ製本で綴ります。本綴じの前の仮綴じ作業。
まずは本文の背になる側の上下の角に、補強のための角布(かどぎれ)を貼ります。
一冊ずつ、千枚通しと木槌で穴を開けます。大工仕事のような音が、いつもは静かなアトリエに鳴り響くとき。
仮綴じの糸は、固結びにしません。表にひびかないように、できるだけ平たく引っ張って糊で固定します。
糊の付いた仮綴じ糸の上に、表紙を合わせれば、仮綴じ作業の終了です。
ここからが本綴じ。
白い紙と赤い糸の、静かな本。
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ちなみに、さくらもカトリも実在します。
でもふたりは、まだ会ったことがありません。いつか出会うのを楽しみにしています。
SAKURA
KATRI