かみきりサックル
2014年3月29日(土)発売 「かみきりサックル」 5,400円(税込)
作・三木 葉苗 題字・三木 咲良 発行者・杉山 聡 発行所・Bonami
ブックデザイン・印刷・製本 Bonami
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この本について
「かみきりサックル」は、作・印刷・製本 すべてを自分たちの手で行おうと取り組んだ
Bonami はじめてのオリジナル絵本。
1ページ1ページを、小さな手動の活版印刷機で刷り、1冊1冊を、手で綴じました。
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作業のすべて
原画は三木葉苗のえんぴつ画。
すべてのページを書き終えて、朝日を浴びたえんぴつを見ると、3羽の白鳥が紙の上で羽を休めていました。
えんぴつの原画を、樹脂版に。
いつも製版をお願いする真映社の角田さん。「製版をおねがいします。」「了解しました。」
これだけのやり取りなのに、本当にあたたかい優しさと励ましが伝わってくるふしぎな人。
まだお会いしたことはないけれど、私たちは角田さんが大好き。
黒一色のシンプルな絵本。
1枚1枚 、紙を手にとり、1枚1枚、力を込めて押します。
一冊の中に34の版があります。
その都度、版を変えて、位置合わせをして、印圧を調整して、、
今回、100冊分の印刷をしたので、最低でも3400回 印刷機を押さなければなりません。
調整や失敗分も含めると、もっともっと・・・・
ガチャン ガチャン チリン
一週間以上の間、Bonamiのアトリエでは、昼も夜も、活版印刷機がうたい続けました。
インクが乾いたら、今度はひたすら折る。折る。折る。
折ったら、穴を開ける。開ける。開ける。
朝。朝。朝。
次は小口(折り重ねて、飛び出した部分)の切りそろえです。
この本は、“コプッティック製本” という、最も古典的な製本法で綴じています。
古代エジプトでは、木の表紙を使っていたそう。Bonamiは厚さ2mmのむき出しのボード紙を使いました。
カットしたボード紙の縁に、ヤスリをかけて、蜜蝋を塗ります。手触りと毛羽立ち防止に。
そして表紙にも、穴を開けて・・・
ようやく綴りの作業。まがった針で編むように綴ります。
こうして、完成!
題字はサックルのモデルでもある妹の咲良が書きました。
表紙にこの文字が入った瞬間、サックルがすぅっと、私たちの心に近づいてきたような気がしました。
かみきりサックルは、おどろくほど素朴な本です。
色も言葉もありません。背表紙もありません。
でも、Bonamiにとって、たいせつなことがたくさん詰まっています。
たぶん、Bonamiのすべてが、詰まっています。
どうか、たくさんの人の手にとってもらえますように!
感謝を込めて
2014年3月
Bonami
杉山 聡 三木 葉苗 三木 咲良